「武装島田倉庫」の続編。椎名誠著「砲艦銀鼠号」をレビュー。ネタバレなし。
皆さんこんにちは。
椎名誠の砲艦銀鼠号を読みました。
私の大好きな小説、武装島田倉庫の続編になります。
作品紹介
あらすじ
世界は崩壊し、ディストピアとなってしまった。
ルールも何もないこの世界で生きる、灰汁(あく)、可児(かに)、鼻裂(びれつ)の3人。
彼らは盗んだ船、「砲艦銀鼠号(ほうかんぎんねずごう)」で海賊稼業を始める。
概要
ジャンルはディストピア小説です。
武装島田倉庫の登場人物が活躍する、続編となります。
武装島田倉庫では、ディストピアの世界に様々な登場人物が出てくる群像劇でした.
砲艦銀鼠号は、武装島田倉庫に登場していた、灰汁、可児、鼻裂の3人が主役となった、3人が織りなす物語、冒険譚となっています。
武装島田倉庫については、コチラの記事も読んでみてください。
この小説のここが良い
武装島田倉庫の続編となる今作。
雰囲気や世界観、そして、灰汁、可児、鼻裂という登場人物を引き継いだ作品となっており、前作ファンの私としては嬉しいです。
それぞれ性格の違う3人ですが、共通しているのは、まともじゃないということ。
文明が崩壊し、ルールも何もないですから、頭のネジはとんじゃってます。
なにしろ海賊で金儲けしようと思ってるんですから、相当ヤバい奴ですね。
この3人が砲艦銀鼠号に乗って、海賊稼業をしながら様々な冒険をするのですが、とにかくハチャメチャです。
こんなおかしな世界で、こんなおかしな3人が、まともな冒険になるはずがありません。
行き当たりばったりで、なにが起こるかわからない3人の冒険です。
でも、だからこそとても冒険している感じがあって、ワクワクして読めました。
また、冒険をしていくなかで、様々な聞いたことも見たこともない、場所や生き物に出会うことになりますが、ここらへんは、椎名誠のお馴染みって感じですね。
3人が行く先々での予想もつかない話の展開と、想像もつかない生き物たちとが織りなす冒険が見どころです。
この小説のここが悪い
椎名誠さんの他のSF小説に比べて、ちょっと全体的にアッサリしている気がします。
オチも抑えめというか…。
ガツンとしたものが欲しかったので、すこーし物足りなさを感じました。
あと、椎名誠さんの小説を批評しているときには、毎回同じことを言っている気がしますが、何しろめちゃめちゃな小説です。
話の展開はもちろん、出てくるキャラクターから、なにからなにまでメチャメチャですね。
この感じが好きじゃなかったら、読めないと思います。
今までに椎名誠さんの作品を読んで拒絶反応が出ている方は、読まない方が無難ですよ。
この小説のオススメ度
★★★★☆
星が4つで結構おススメ出来ます。
ただ、武装島田倉庫にはやっぱりかないませんね。
それほど、あの小説は良かったです。
3人の海賊稼業と冒険の果てには、なにが待っているのか。
気になる方は読んでみて下さい。