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ポストアポカリプス的親子愛。小説の「ザ・ロード」をレビュー。ネタバレなし。

みなさん、こんにちは。

コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を読みました。

ディストピア・ポストアポカリプス好きの私ですが、こういうのを読みたかったんだよって感じです。

 

 

ちなみに、映画にもなっています。

よろしければコチラの記事をご覧になって下さい。

 

 

 

作品紹介

あらすじ 

舞台はアメリカ。

戦争や、自然災害などの大きな災いによって、文明は崩壊。

ほとんどの動植物も絶滅し、残されたのはごく僅かの人々のみとなった世界です。

主人公は、父と男の子の2人。

2人は、気候変動による気温の低下から逃れる為に、ひたすら南に向かって歩き続けます。

荒廃した世界での、飢えや、生き延びた人々との争い。

様々な困難を乗り越えながら、父と子はただ歩き続けます。

 

概要

文明、世界が崩壊した後の話です。

主人公は父親と息子の2人です。ちなみに2人に名前はありません。

結構珍しいですね。

だから、読んでて不思議な小説でした。

ひたすら、崩壊後の道を歩いていくという形で、物語はすすんでいきます。

 

ちなみに原作者であるコーマック・マッカーシーの作品は、他にも「ノーカントリー」があり、こちらも映画化されています。

 

 

この小説の見どころ

まずは、世界が崩壊したあとの世界観が見どころです。

崩壊したばかりの世界で、何が起きたのかわからない、そしてどうなっていくかもわからない、よりギリギリの世界観。

とても緊張感が伝わってきます。 

そして、その世界観の描写が細かいですね。 

SFだとか、架空の世界も描写って大事だと思いますが、こういう日常の延長からの新たな世界の創造、または想像には、より細かい描写が必要だと思います。

この小説は、そこの描写がとても細かくて、とてもリアルです。

  

また、父と息子の物語という見どころもあります。

なかでも、2人の善悪の問題が大事なポイントです。

この世界で2人はどう生きていくのか。

善人として生きていくのか、悪人となってでも生きていくのか。

そもそも、2人は善人なのか、悪人なのか。

法も秩序もなくなってしまった世界で、善悪とは一体なんなのか。

極限の状態に置かれながらも2人は旅を続けながら、その答えを探します。

これは、現代にも通じる話ですね。

法律に引っかからなければ、すべては善なのかというとそうではありません。

自分で善悪を考えなければなりません。

とても考えさせられました。

ちなみに小説には答え的なものの描写もあります。

 

 

この小説のここが残念

怒涛の展開っていう小説ではありません。

ひたすら渋い感じです。

私は好きでしたが、嫌いな人もいると思うので、あえて悪いところにさせてもらいました。

 

 

この小説のおすすめ度

★★★★★

星5つで、満点です。

荒廃した世界観が好きな人、あとは父と息子の物語が読みたい人にはおススメです。

 

個人的ですが、息子がいる私としてはかなり感情移入して読むことが出来たので、子供のいる方にもおすすめしたいです。

ちなみに、作者も息子のことを考えて書いた小説だそうです。